じゃんねえ

 昨年、毎週楽しく見ていた大河ドラマの『いだてん』は、前半と後半で主役が交代するという筋書だった。前半はマラソン選手の金栗四三さんであり、後半は新聞記者の田畑政治さんである。
 脚本は宮藤官九郎さんであり、『あまちゃん』と同様に方言がふんだんに採り入れられていた。
 金栗四三さんは、九州出身らしく「ばってん」を何度も繰り返し、なんとオリンピックの開催地で「バッテン」が「水」の意味になることを知ったりする。
 そして、方言かどうかは分からないが、田畑政治さんの口癖は「じゃんねえ」であった。「ここにテレビ局が移ったら面白いじゃんねえ」のように文末に使う。そんな口癖の人がいるはずがないと思って半年間観ていたのであるが、ある日、私の口癖が「じゃんねえ」であることに気づいた。まさかの自分であった。