音声の子音

 ここ十年間くらい、ずっと研究テーマは音声の解明だった。音声認識でも音声合成でもなく、サイエンスとしての音声の解明である。
 どこから攻めようかと考えた挙げ句、子音を最初に攻めることにした。そしてなんとなく形になってきたので昨年の十月に発表した。まだ中途半端であるが、今は子音ではなく別のところを攻めている。
 なお、今のところの私の子音に関する見解は、例えば音声認識をするにあたり、diphoneを考慮していればパワースペクトル系列から子音は読みとれるというものである(monophoneでは駄目)。別の言い方をすれば、特に新しいことをしなくても、機械に大量のデータを入れればそれなりの性能が得られるはずだということである。なんのために手作業の信号処理で子音の研究をしていたのかが分からなくなる結論ではある。
 まあ、そんな研究をしていると、YouTubeなどで歌声を聞いたりして、なんで人間にはこんな声が出せるんだろうなあ、と途方に暮れることがある。