▲4五歩

 第13期マイナビ女子オープン五番勝負の第三局の仕掛けが面白かった(2020年5月12日 西山朋佳女王 対 加藤桃子女流三段|五番勝負第3局|第13期マイナビ女子オープン)。
 先手が居飛車、後手が三間飛車で、13手目にいきなり▲4五歩と仕掛けるのである。以下、△4五同歩と取り返し、▲3三角成△同銀に、▲6五角が飛車取りと▲8三角成の両狙いとなる。
 プロ同士の場合、過激な攻めは仕掛けたほうに無理が出て成立しないという先入観があったが、本局ではどこまでも過激に攻めて、終盤に入る前に先手が完封勝ちした。

クラスとおっさん

 今までずっとオブジェクト指向を避けて通ってきた。C言語とかのような書き方でも、充分に作業ができてしまうからである。でも、なんとなく一度はオブジェクト指向に挑戦してみてもいいのではないかと思い、Pythonで頑張っている。頑張ってはいるのだが、どうしてもオブジェクト指向っぽくならず、単に構造体をclassと読み替えただけのコードになってしまっている。
 もはや私にはオブジェクト指向は無理なのかなあとか思いつつ、それでも頑張ってみている。
 なぜ頑張っているのかというと、話は2010年代初頭までさかのぼる。とある学会の会合で大御所のシニア研究者三名に若手がいろいろと質問をするという企画が立ち上がった。事前に集められた質問の中に、「失礼ですが先生方のピークはいつ頃でしたか?」というものがあり、三人のシニア研究者が三人とも「三十代でした」と答えた。実際に私が四十歳になってみると、やはり頭の回転が鈍ってきたり、集中力が落ちてきたり、新しいことに挑戦する意欲が薄れてきたりした。いわゆる、おっさん化である。これはいけないと思い、まだ意欲があるうちにオブジェクト指向を頑張ろうと思ったのだった。
 おっさん化に伴い、ブログの名前も『おっさんの日々』あたりに変えようかとも思ったのであるが、そうするとなんとなくさらにおっさん化が進みそうだったので、思いとどまっている。

こまおのミラーとひばりさん

 私が作った将棋ソフトの『こまお』はジオシティーズの閉鎖に伴い一度消え、その後いろいろあってうさぴょんさんのスペースで復活した。その消えている間にいくつかのミラーサイトが立ち上がったらしく、このミラーサイトについてどのようなスタンスをとるのがいいのか決めかねている。
 本家のこまおが復活したらミラーサイトは消えるのかなとも思っていたが、どうやら消える様子はなさそうである。といって消えてほしいと思っているわけでもなく、存続してほしいと思っているわけでもない。今のところ困ったことにはなっていないようであるが、ユーザの方々は困ったりするんだろうか。
 消えたものが本人の意思とは関係なく復活するという状況が、なんとなく『AI美空ひばり』と似ているなあと思っている。

詰将棋動画

 とある女流棋士YouTube詰将棋の問題と解説をそれなりの頻度でアップロードしている。
 私は詰将棋が好きではないので最初は見ていなかった。詰将棋が嫌いだった理由は、ただしらみつぶしに王手していくパズルだと思っていたからである。
 ある日、ふと、その詰将棋動画を見て、女流棋士の話を聞いているうちに、詰将棋はかなり戦略的に王手していくパズルであるということが分かった。しらみつぶしではなかった。それ以来、詰将棋の動画を見続けていたら、なんと先日は実戦形の七手詰が解けてしまった。数ヶ月前には絶対に七手など解けないと思っていたが、毎回のヒントや解説を見ているうちに力がついていたらしい。
 実のところ、詰将棋はハンドブックシリーズと呼ばれる本を二冊持っているのであるが、まるで解けるようにならなかった。この動画のヒントと解説で棋力が向上したようである。
 なお、一連の動画は現在、五手と七手が主流になっているが、その女流棋士が動画内で三手詰まで進めてくれるので、詰将棋が苦手な人にもおすすめである。

音声の子音

 ここ十年間くらい、ずっと研究テーマは音声の解明だった。音声認識でも音声合成でもなく、サイエンスとしての音声の解明である。
 どこから攻めようかと考えた挙げ句、子音を最初に攻めることにした。そしてなんとなく形になってきたので昨年の十月に発表した。まだ中途半端であるが、今は子音ではなく別のところを攻めている。
 なお、今のところの私の子音に関する見解は、例えば音声認識をするにあたり、diphoneを考慮していればパワースペクトル系列から子音は読みとれるというものである(monophoneでは駄目)。別の言い方をすれば、特に新しいことをしなくても、機械に大量のデータを入れればそれなりの性能が得られるはずだということである。なんのために手作業の信号処理で子音の研究をしていたのかが分からなくなる結論ではある。
 まあ、そんな研究をしていると、YouTubeなどで歌声を聞いたりして、なんで人間にはこんな声が出せるんだろうなあ、と途方に暮れることがある。